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消えた「あるおぎ」

現代文の授業で、内田樹「ことばとは何か」を読み始めました。

この教材は「ある観念があらかじめ存在し、それに名前がつくのではなく、名前がつくことで、ある観念が私達の思考の中に存在するようになる」という主張で終わる文章です。

この教材の導入として、大舘の授業にて「中杉にある”たくさんの物事”を分節化して名前をつけて可視化してみよう」という遊びをしたところ、1組から以下のアイディアが。


上の段は「シャーペンの後ろについている消しゴムを大切にする派/どうでもいい派」とのこと。こちらは「中杉ならでは」ではないものの、「たしかにあるある!」と思える分節化ですよね。

そして、下の段。「人から聞く人」とか「読まない人」がいるとは思えませんが、今後「人からあらすじだけ聞いて得点しようとする人」はこのように呼ばれてしまうかもしれません。(「乞食」は放送禁止用語ですので推奨できる表現ではありません/人からあらすじを聞いたくらいで得点できるような問題を出題しているつもりもありません)――でも、今までは聞かれた側がモヤモヤしていたかもしれませんが、今後「ああ、この人は情報**なんだな」とモヤモヤが可視化されるわけで、これこそが内田樹が論じていることの実例です。

そういうわけで、明日の課題図書テストは、いつもどおりしっかりと読んで臨んでください。

(ちなみに国語科としては、課題図書を買って読むか、借りて読むか――ということについては特に指定していません。今、文庫本もすごく高いですからね。著作権切れの作品については青空文庫を紹介することもあります。)


さて、「名前が付くことで分節化され可視化される」ということに関連して思い出されることばが、表題の「あるおぎ」です。これは、コロナ禍以前は、学校⇔荻窪駅間の移動に西武バスを利用する人の方が圧倒的多数だったがゆえに、「あえて歩いて荻窪⇔学校間を移動する人」が分節されたものです。しかし、コロナ禍の間、中杉生は「バスの利用は見合わせてください」ということで全員が「あるおぎ」となり、「歩く人/歩かない人」の切れ目が存在しなくなりました。すなわち、「あるおぎ」という語の(一時的な)消滅です。

この春から、バス利用が再開されたものの、まだ歩いて学校⇔荻窪駅間を移動する人の方が多そうです。…となると、今度は「いつもバスを利用する人」が分節化されているのでしょうか。そういう人たちに名前が付いているのであれば、大舘に教えてください。

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